Find your best trail

自分にとって最高のトレイルを見つける旅

Tor des Geants トルデジアン2018①

TOR1:Courmayeur-Bonne Valgrisenche
-不安しかない始まり-

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クールマイユールのスタート地点:僕らは必ずここへ戻ってくる

12時。スタート。

大歓声の街中を抜けCol Alpへ向け最初の登りへと向かう。
スタートからあまりにペースが速い。登りも息がきれるほどではないけど、こんなペースで340km行くの?と不安を覚える。完全にまわりの雰囲気に呑まれていた。Col Alpへの登りからすでに左足の裏がやや痛い。素直に気持ちの上がる要素がなかなか見つけらない。
(今思えばあんなペースで行く必要は全くなかった、高度順応もかねてはじめはゆっくり行くべきだったのだ)

Col Alpが見えてきた。前には小野さんもいる。が、Col Alpに着いた直後、小野さんは5秒くらいで見えなくなった。他の選手も物凄い勢いで、もはやトレイルではないところを最短距離で下っていく。下りベタ&足に不安のある自分はあくまで自分のペースで。焦るけど、焦っても仕方ない。どこかの国の選手に頑張れよと言われるけど、これ以上やりようがないのだよ。

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Col Alpへ登り

下りながら補給をしたいと思っていたが、自分のメインの行動食はナッツ。走りながら食べにくい、取り出しにくい。ジェルやサプリメントは持っているが、回復系のものが中心で、カロリーで言うと50kmあたり250kcal分くらいしか持っていない。Youlazでコーラをコップ2杯、ナッツを少し食べたが回復した感じがしない。

Col Alpからの下りはほぼ終わり。LaThuileの街が近づいてくると一際沿道の応援が凄い。

「Takashi!」「Takashi!」、時々「Takeshi!」。

ものすごい量の応援。声をかけてもらえばもらうほど力が沸く。こんなにもみんなが応援してくれるレースがあるのだろうか。このあとゴールまでの道、朝だろうが夜中だろうが、街でも山の中でもどこにでも誰かがいる。こんな時間に何してるの?って思うところに急に人が現れる。感謝してもしきれない。

声援の中、LaThuileへ到着。疲れた。が、休み方が分からない。オレンジとたしかバナナ、コーラを飲んですぐに出発した。1つ2つしか食べなかったが、これが良くなかった。走っててお腹も痛い。

Passo Altoへの登り。明らかにペースが落ちた。たまに足を止めないと進めなくなってしまった。かなり年配の選手に引っ張ってもらうが、ついていけない。他の選手にも心配される。なんだか気持ちも悪いが、これはサポートタイツとランパン両方のお腹の締め付けがきついせいだと気づいてランパンを脱いだらリカバーした。

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ここは、小川の流れるこれ以上ないほど美しいvalley。この景色を楽しめていない自分が情けない。
ふらふらしながらBiv Promoudへ到着。食べ物は果物のみで、あとはいつもどおりコップにコーラをもらう。スタッフの1人が、「コーラをボトルに入れてあげようか」と言ってくれた。そのときは断ったが、Bivを出発した後、ボトルに入れてコーラを行動食の代わりにすれば良いのではと気づく。500mlで250kcal程度。そこそこ摂れる。この気づきにより、以後200kmぐらいまでのカロリー補給はほぼコーラとなった。各Rif&Life Baseで500mlは補給したから、ゴールまでに20L近くは呑んだと思う。

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Col Crosatieへの登り

Col Crosatieへ登る。だんだんと暗くなる。こちらは明るい時間が長く、8時くらいまでは明るい。Crosatieは岩稜帯。ロープ場(日本で鎖があるところがこちらではロープ)を登る。気温も下がり、若干だが落ち着いてナッツを食べたりできたおかげで気持ちは上向いてきた。抜きもしないが、抜かれもしない状態が続く。

Col Crosatieから下ってPlanavalへ。途中からはロードの平坦道。少しペースをあげてみるが、右足太ももの側面にやや痛みを感じる。こんな序盤で足を痛めても辛いので走るのをやめてストックを使った早歩きに切り替える。

Planavalへ到着。腰をかけてぐったりしていると、スタッフにメデイカルケアが必要かと声をかけられる。カロリーが足りないだけだと伝える。お礼を言って出発。気は滅入っていた。たしかここで初めてコーラをボトルに入れる。最初の頃はコーラもとても美味しかったなぁ。

あと7km進めば最初の。着いたら少し寝て気持ちをリセットしよう。ゆっくり走ることにする。小さなアップダウンのある道。ここまでの大変さに比べればなんと楽なことか。少し気持ちが落ち着いてきたが、カロリー不足と体調が良くないことに変わりはない。

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Life Base1 Bonne Valgrisenche

スタートから10時間30分ほど、Life Base Bonne Valgrisencheへ到着する。事前の情報収集で聞いていたように、Life Baseに着くと「食事?シャワー?スリープ?」と聞かれた。自分は基本「睡眠→食事」のパターンで決めていたので、「One hour sleep」と答える。デポバックを浮けとり、スリーピングルームへ。すでに寝ている人もいるが多くはない。最初のLife Baseで寝る人は少ないのだろうか(自分も寝るとは思っていなかった)。

寝る前にスピードキュア、ダルマ、MAGMAを飲み、靴を脱いで寝る。周りの寝息や、物凄い勢いでもどしている音がしたが、自分はあまり気にならないらしい。1時間のうち45分くらいはしっかり寝ることができた。

 

*ATHLETUNEアスリチューン スピードキュア 運動後「回復型」 マンゴー味 (45g×1個) 【補給食説明書付】

*ZEN サプリメント ZEN AFTER ACTIVITY(ダルマ)72粒 ゼン スポーツサプリメント リロード 運動後に

*MAGMA アスリートバーリィ 30スティック入り

わずか1時間の睡眠だった。

しかし、丸一日寝たかのようなリフレッシュ感。気持ちも体調も大いに回復した。気温が下がってきたので、夜間仕様にウェアを着替える他、事前に作っておいたToDoリストに沿って1つ1つやることをこなす。ここで採った食事はベジタブルスープとライス。内蔵の調子が悪く、ライスは少しきつかったがカロリーは必要。果物も食べた気がする。ゆっくり食べる。

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食べ終わったあと、これからのカロリー補給について考える。ナッツは今のコンディションでは食べれそうもない。なにより食べたくない。行動食になりそうなものを探しているとチョコがあった。持っていたナッツを捨て、空いた袋にチョコを詰めた。チョコなら口の中で溶けて食べやすいだろう。と思ったが、どうもこちらのチョコは日本のチョコのように砂糖が多くはないのだろうか、口の中で溶けない。口の中で結構もさもさするけど、ナッツよりは食べれる、そして食べないと死んでしまう。ここからはコーラ&チョコと共に行動しようと決め、Life Baseを立つ。時間は月曜日午前0:30。足も軽いし、楽しくなってきた。(Tor des Geants②へ続く)

ブログをはじめるにあたって

トレイルランニングをはじめたのは2013年。

 

自分の趣味として。

登山をはじめて4年ほどたち、登りたかった山にも登った。

次の目標を見失っていた頃にトレイルランニングに出会った。

 

山にいけるのは週末の休みのみ。

限られた時間の中で、必要最小限の荷物を背負って颯爽と山々を駆け巡るこのスポーツにのめりこむのに時間はかからなかった。

 

登山はしていたけれど、走るのは中学生の時以来。

身体ができていないのに、気持ちは次へ次へと流行るばかり。

故障に悩んだ。痛みにも悩んだ。

身体と気持ちのちぐはぐさにもがいた。

こうしてブログを書いている2019年。そこはあまり進化していない気がする。

気持ちが流行り、身体はいつも無理を強いられる。

 

それでも、蓄積してきたものもある。もちろん、6年前に比べ技術も体力もついた。

少しずつ、身体と気持ちの折り合いはつきつつある。

 

このブログには3つのことを書こうと思う。

・レースレポート

・レースではないプライベートチャレンジレポート

・日常調べている海外レース情報

 

このブログは自分にとってのベストトレイルを見つける旅の記録。

 

そんなもの、見つかるのだろうか?

 

見つかるかどうかは分からない。それでも、見つけるために唯一できること。

 

それは走り続けることなんだ。